例会報告 1997年3月

「ヘルプデスク業務の合理化」

河本 勇

1)発表内容概説
  ・ヘルプデスク業務とは、その問題点は。
  ・改善策をシステムで考える。
  ・ヘルプデスクサポートシステムについて。
  ・最後に、これからのヘルプデスクサポートシステム。

2)ヘルプデスク業務とは(配布資料P1−1996/11/20朝日新聞)
  各業種にあるが、通常、俎上に上せられるのは、増員(NEC社は
  150名から300名に増員)にもかかわらず、窓口が飽和状態で
  着信率がわずか1%〜1.5%のパソコン業界。
  ハードメーカー、ソフトメーカー間でたらい回しの上、最後は原因
  不明のまま、商品サービス部で部品交換という切り札で片づけられ
  る。
  読みやすいマニュアル、操作性のよい商品が今後の課題。

3)各社の状況
  1週間のうち、問い合わせの多いのは、土、日曜にトラブル解決で
  きず持ち込まれる月曜日。次に一週間努力したが、結局諦めたケー
  スの金曜日。
  電話の接続が悪いのが特筆される。(配布資料P2)
  Windows95立ち上がり3か月後の調査結果(日経パソコン96年4月
  22日号)
  ・NEC社   9時〜17時話中。18時にようやく接続。
  ・富士通社   9時〜17時話中。17時以降営業時間外。
  ・アップル社  2時間おきに接続可。
  ・IBM社   13時のみ接続。その他の時間は話中。
  なお、ACDで待ち行列に入れ、順次つなげることも行われて
  いるが、待ち時間の限界は3分。
  発表者の調査
  ・富士通社   接続困難。ヘルプデスクサポートシステム利用。
  ・ソーテック社 即接続可。ヘルプデスクサポートシステムを利
          用しているためか、最後は「事例がない」との
          回答であった。
 他業界事例
  「製造物責任(PL)対策企業事例集「安全な製品づくりをめざ
  して」」(大阪府商工部 平成7年9月発行)に、国民生活セン
  ターに寄せられる商品の苦情について、通産省、農林省との連携
  が悪く、トラブルが次に活かされないとの指摘がある。

4)現状の問題点(配布資料P3)
  ・人材不足
    優秀な人材ほど、ヘルプデスクから収益部門へ異動させられが
    ちである。
  ・履歴の集計
    トラブルのQ&Aは、担当オペレータが業後にその日を振返り
    ながら作成するため、履歴としての信頼性が低く、マニュアル
    が整備できない。
  ・ヘルプデスク担当者のスキルの個人差
    初心者が最初にスキルの低い人にあたると、以後、パソコンの
    操作を厭うようになる。

5)ヘルプデスク業務対応強化のポイント
  ・電話サポートの強化(窓口支援)
  ・事例データベースの充実(窓口支援)
  ・事前のトラブル情報提供サービス(フィードバック)
  ・原点であるマニュアルの整備(フィードバック)

6)ワープロのヘルプデスクの実例(配布資料P4)
  パソコンのヘルプデスクへのパイロット版
   回答業務を効率化し、窓口支援するとともに、データのフィード
   バックによる次期商品計画策定に反映させる。
   地価の廉価な長野に集約。
   昨年11月28日に立ち上げたが、12月の繁忙期(通常月は
   400〜500件/日が800件/日になる)で頓挫。年明けに
   仕切り直して再立ち上げ。

7)ヘルプデスクサポートシステム導入の目的(配布資料P5)
  ・サービスの向上(顧客側の視点)
  ・人件費の抑制・質の向上(企業側の視点)
  ・サポート履歴のフィードバック(顧客ニーズの掌握)

8)ヘルプデスクサポートシステムのDB構成(配布資料P8〜10)
  ・履歴DB(オペレータの対応(二次対応スペシャリストの助けを
        借りているか)が把握できる。)
  ・マスター(障害状況の管理、質問内容の傾向の分析)
  ・事例DB(質問に対する応答集)
  事例DBを早期に構築したいが、いきなり事例DBを構築するとな
  ると、時間外にオペレータに入力練習させねばならず、センター長
  等の協力が得られにくい。まず、企画部門、品質管理部門の調査の
  基礎資料作成という大義名分で、履歴DBの入力から始め、徐々に
  事例DBに力点を移す方法を採用するとよい。

9)ヘルプデスクの対象
       −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  ↑デイフィカルト|           |
  |    | バグによるトラブル | バグによるトラブル
  |    |           |
  |    |           |
  回答   −−−−−−−−−−−−+−−−−−−−−−−−
  |    |           |
  |    | 〜の情報を知りたい | マニュアルを読まない
  |    |           | (〜の操作を知りたい)
  |ナンセンス  |           |
       −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
       デイフィカルト                  ナンセンス
(オタク)
       ←−−−−−−−−−質問者−−−−−−−−−−
    ヘルプデスクにはリピート性が必要。
  ・バグによるトラブルおよびマニュアルを読まないケースが対象と
   なる。特に後者のマニュアルを読まないケースは全体の52%を
   占める。
  ・オタクの「〜の情報を知りたい」はリピート性がなく、対象外。
  給湯機メーカーの事例でも、当初、若い技術者がヘルプデスクを担
  当していたが、マニュアルの質問と施工主からのパイプの種類の問
  い合わせ等が多いため、テレマーケティングに切り替えた。

10)CTIの利用(配布資料P11)
  CTI(Computer telephony intrgration)が7月より、本格実施さ
  れることに伴い、発信電話番号をマスターとマッチングさせ、予め
  情報を表示するスクリーンポップ機能やインテリジェントルーティ
  ングが実現可能となる。
  CTIは幕張のショウでもコーナーが設けられ、通産省が後押しを
  している。
  ヘルプデスクはPLの時が第一の波で、今回が第二の波。

11)ヘルプデスクの今後
  インターネットにヘルプデスクの画面を表示し、これに質問項目を
  入力させる。(米ゲーム会社のYoda's Help Desk)


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